日々にイメージを採取する!


by videoartist
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

2011年もよろしくお願いします。


新たな年、2011年を迎えました。

ここ数年、政治経済のみならず既成のものの地盤が崩れているのを感じています。崩れてきているからといって、時間を遡って元のように修復するよりも、さらに先に進めて崩しきり、地ならしをして、そこに新たな地盤を創り出したほうがいい、そうわたしは思っています。

また、自己表現においても、それを行う場においても、既成の閉塞されたものに訣別し、新たな表現行為、表現の場を創り出さなくてはならない時期に来ているとも思っています。

こういった状況を先取りするかのようにより美しいものを感じるために競い合った「詩のボクシング」も3人1組となって表現する場としての「声と言葉のボクシング」を生み出し、さらに今年、新たな試みを始めます。

その試みがうまく行くとか行かないとか、そういった「言葉」で迷うのではなく、その「言葉」の先を行かなくては何もはじまりません。「行為」とはそういったものであるはずです。その「行為」の場としての「詩のボクシング」は、常に変化を遂げながら新たな表現の可能性を探り続けていると自負しています。

言うまでもなく、その場にはその場ならではの空気があります。そして、その場の空気が、人の身体にとって不可欠な酸素と同じように新たなものを生み出す原動力を与えてくれます。

2011年も新たな試みを始める「詩のボクシング」の場の空気を呼吸しに来てください。より刺激的、あるいは詩激的な会場を準備して待っています。

昨年の2つの全国大会を観戦していただいた方が、同人誌「地ひびき」に執筆された文を紹介させていただきます。
「詩のボクシング」

小笠原 みつ代

「詩のボクシング」 というイベントがある。知っている人は知っている。知らない人は全く知らないというイベントである。今年で全国大会は十回目。そのうち私は、三回、見に行っている。というか、聞きに行っている。

今年は10月16日(土)に開かれた。会場はお堀端の日経ホールであった。一昨年は有楽町のマリオンホールだった。入れるだろうと気軽に考えて行ったら、満員札止めで入れなかった。今年は早々に予約して、入場券を手に入れた。

当日、全国各地の大会を突破して来た代表選手が集結。トーナメント方式で戦い、全国一を決めるというもの。本物のボクシングのように、舞台にリングをしつらえ、赤コーナー、青コーナーから選手が出てくるしくみだ。但し、なぐりあうのではなく、自作の詩を三分以内で朗読し、リング下のジャッジ七名の札の数で勝敗を決めるやり方。今年のジャッジは、漫画家・やくみつる、作家・森まゆみ、タレント・なざら健壱、歌手・米良英一など、有名人の姿もみえた。

昨年のジャッジには、作家の島田雅彦が出て、なんとこの「詩のボクシング」の何代目かのチャンピオンであると挨拶していた。

一九九九年から始まった試合で、正式には、日本朗読ボクシング協会、楠かつのり代表が主催している。出場選手も、下は小学生から上は八十五歳までと、年齢が幅広い。そんなところが魅力で、私は見に行っているのかもしれない。試合終了後の疲れもたまらない。

今年注目されていたのは、大阪朝日放送のアナウンサー、高橋大作選手であった。ところが一回戦で、山梨代表の遠藤健二選手に負けてしまった。遠藤選手はヘルメットをかぶった作業着姿であった。雰囲気も大事らしい。内容も、普段自分が体験している山仕事の話と樹の気持ちを訴えたものだった。

結局、出場選手十二名から勝ち抜いて決勝戦に進んだのは、三重代表くんじろう氏と、兵庫代表の大窪純子さんだった。決勝戦では、その場で与えられたお題で、即興でよまなければならない。くんじろう氏の引きあてたのは「国境」で、大窪さんは「宇宙」であった。

くんじろう氏は、庭の垣根の話から尖閣諸島への話へ持って行き大窪さんは、大賀ハスとチリ落盤事故救出劇を結びつけた内容だった。

私は大窪選手の詩の方が、すがすがしくってよいと思ったのだが4対3で、軍配はくんじろう選手にあがった。七五調であること、低く親しみやすい口調であること、坊主頭に作務衣姿であることなどが、勝因の理由だったかもしれない。60歳の男性だった。長年、川柳をやって来た人であることが、あとで 「楠かつのり・三々五々」ブログを、パソコンでみて判明した。

また今年は、三人一組の団体戦・全国大会というのもあった。優勝したのは香川県からやって来た111チームだった。67歳女性、35歳男性、9歳女性のチームで、三人あわせた年令が111歳なので、それをもじってチーム名にしたらしい。2回戦の即興の試合で「一石二鳥」という題を出され、はたして九歳の女の子に意味がわかるだろうかと心配していたら、「人生とは一石二鳥のようなもんや」と言い出し、その一節で優勝をさらったようなものだった。

詩の好きな方、来年は一緒に見に行きませんか。

by videoartist | 2011-01-02 13:00 | 「詩のボクシング」