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9月3日に気仙沼大会が行われ、個人代表と代表団体チーム決定!


午前中に小雨降る中、気仙沼漁港に行きました。半年が経とうとしていますが、東日本大震災被災地の気仙沼漁港でさまざまなものが壊され焼かれた鼻を突くにおいを感じながら見た光景は想像以上のものでした。

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午後は、ワークショップ型「詩のボクシング」気仙沼大会が面瀬中学校で行われました。

気仙沼大会の実行委員会の方々は、被災地での大会のために工夫したリングを設営しており、驚かされました。

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観客は地元気仙沼の方がほとんどで、出場者の朗読が終わる度に力強い拍手が沸き起こり、その音の大きさにこれまでになくわたしの身体が熱くなりました。

気仙沼大会の出場者には伝えようとする気持ちに迷いがなく、被災地の中での生活を優しく厳しく見つめる声と言葉にあふれていました。

その中で個人戦・代表になったのは、及川良子選手。及川選手は、本吉町の自宅が津波に流され、今は同町内の小泉中学校内の仮設住宅に住んでいます。

及川選手の朗読作品「朝陽に向かって」を紹介しましょう。


海から陽が昇る
朝陽に向かって歯を磨く
朝陽に向かって顔を洗う

微かに震える前髪の一本一本が虹色に光る

男どもが かまどのお湯を沸かす煙が校庭に立ち上る

眼下に津波に砕かれた町が横たわる

すべてはあったこと夢ではない

小雨が降る日 また家を訪ねた

ここは茶の間 小さな子がぐるぐる走り回った
ここはキッチン パンを焼くいいにおい
ここはトイレ まどさんの絵本が立て掛けてあった
ここは私の部屋 ついにわがままを通して手に入れた南向きの部屋

あれこれ思い出して 気持ちが少し温かくなる
あれこれ思い出して 気持ちが少しせつなくなる

庭の砂に埋もれた地面に ぽつり小さな赤い芽がのぞく
ああ シャクヤクだ シャクヤクは生きている

通りの道に 赤紫の大きな玉ねぎが転がっている
濃い緑色の太い根をつけて

よし 畑に植えてやるぞ
玉ねぎをつかんで帰る

海から陽が昇る
おだやかな海から陽が昇る

この朝も 
朝陽に向かって歯を磨く
朝陽に向かって顔を洗う



  及川良子
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気仙沼大会の余韻に浸りながら

及川良子(おいかわ・ながこ)

何年かぶりに朗読し、心臓が激しく高鳴り、ガクガク膝がふるえ、久しぶりに生きている生々しい感覚を味わいました。

選ばれたのは、まったく思いにもよりませんでした。晴れがましくうれしい限りです。

独特な朗読という点では、私より弁護士の東さん、実行委員でもある藤田さんが選ばれてもよいと思いました。

全国大会という場をいただき、代表という言葉に苦しさを感じますが、出る限りはその苦しさを忘れて、言葉に命を吹き込みたいと思っています。

10月22日は、おひとりおひとりの発する声とそのエネルギーを、全身で受け止めたいとも思っています。

生きる意欲をぱんぱんに増量し、全国大会のリングに立ちます。

気仙沼大会では、心地よい緊張をありがとうございました!




また、団体戦の代表には、気仙沼にある宮城県立本吉響高校の3年生チーム「見せばやな」がなりました。チーム名は、「見せばやな雄島の海人の袖だにも/濡れにぞ濡れし色はかはらず」(殷富門院大輔)の歌から来ている。この歌の「雄島(おじま)」は、彼女たちの住む気仙沼からも近い松島湾の一つの島のことで、彼女たちもこの歌が好きだということでチーム名にしたそうです。

歌の意味は、「あなたにお見せしたいものです。雄島の漁師の袖でさえ、毎日どんなに濡れても色は変わらないというのに、私の袖はあなたを思う涙に濡れて、すっかり色が変わってしまいましたのよ」。

彼女たちは、輪読を駆使したテンポ良い団体朗読で、気仙沼の津波被害と町についての思いを声にしていました。会場の観客からは、「津波を体験しているからこその言葉だ」とのコメントがありました。


  見せばやなチーム(本吉響高校)
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畠山舞

私は、9月3日に行われた「詩のボクシング」気仙沼大会の団体戦に出場しました。

このような大会に出るのは初めてだったのでとても緊張しましたが、本番ではいつも通りに声も出せ力を出し切る事ができました。

他の参加者のみなさんもいる中、全国大会に行けるとは思っていなかったので、気仙沼代表として精一杯頑張りたいと思います。

赤畑菜緒

9月3日に行われた「詩のボクシング」気仙沼大会で、私たち文芸部の3名が全国大会に行く事になり、今でも驚きを隠せません。

今回の大会でほとんどの方が震災について叫んでいました。

自らも被災者ですが、たくさんの「おだづなよ!」の叫びに胸を打たれました。

ですが、その中でも前を向いて居ない人は居ないと言う事に気付けたのが今大会での収穫です。

一人一人の出場者の思いを私たちが全国大会でうまく伝えられるように頑張ろうと思います。

三浦美保

宮城県気仙沼市立面瀬中学校で行われた「詩のボクシング」大会に団体戦で出場しました。

団体戦は三組でした。その中で自分たちがまさか全国へ行けるとは思っていなかったため嬉しかったです。

全国大会までは時間があります。今回のように一筋縄にはもちろんいきません。

時間を友好的に使いこのチャンスを無駄にする事なく精一杯頑張りたいです。

初出場で緊張しますが言葉を伝えたり見たり聞いたり楽しみたいです。



及川選手と本吉響高校チームの声を直接に聴くことでしか、被災地を感じることはできないでしょう。

被災地の被災状況は写真などで見ることはできても、被災地の人の心は声によってしか見ることはできません。

わたしは気仙沼大会を通してそのことを強く感じました。

  前列に出場者が座っている
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  日野修さんから大会後のメール

楠さんへ

お忙しい中、きめ細かく指導、大きい支援いただきありがとうございました。

選手として参加した方から、参加して良かった、と嬉しいコメントを多くいただきました。

今朝、河北新報にカラー版で大会の様子と優勝者の紹介が掲載されていて嬉しかったです。


【記事内容】

「詩のボクシング」気仙沼大会/震災の体験、魂込め詠む
2011.09.04 河北新報

「詩のボクシング」気仙沼大会/震災の体験、魂込め詠む

東日本大震災の被災者らがボクシングのリングを模したステージで自作の詩を朗読し、勝敗を競う「詩のボクシング」気仙沼大会が3日、気仙沼市岩月の面瀬中で開かれた。

個人戦と団体戦(3人1組)の2部構成。気仙沼市や大崎市の出場者は赤コーナーと青コーナーに分かれ、3分の持ち時間で自作の詩を発表した。勝敗は観客が札を上げてジャッジした。

個人戦の優勝は「朝陽(あさひ)に向かって」と題した詩を朗読した気仙沼市のパート従業員及川良子さん(63)。津波に流された自宅の跡地に芽を出したシャクヤクと自分を重ね合わせ、「朝陽に向かって歯を磨く 朝陽に向かって顔を洗う」と再起を誓う詩を詠み上げた。

大会は、声に出して詩を詠むことで被災者の気持ちを和らげようと、地元住民有志らが企画。及川さんと、団体戦で栄冠に輝いた本吉響高の女子生徒3人は、10月22日に東京で開かれる全国大会に出場する。

日本朗読ボクシング協会(横浜市)の楠かつのり代表は「重苦しい作品ばかりだと予想していたので、力強い詩の多さに驚いた。全国大会では被災地の思いを届けてほしい」と語った。


皆さんの生きなくちゃという思いが表れてました。

観客の方から、こんな楽しみ方あるんだ、知らなかった面白い、との感想いただきました。

中学校の仲間との何十年ぶりかの再会もあり、家が流された仲間も舞台設営してくれ、いろんな方の支援いただき本当に感激しております。

皆さん自分のそれぞれの立場で生き抜いて行く姿見え、逆に私が元気づけられました。

今後ともどうぞ、よろしくご指導お願いいたします。

日野 修


by videoartist | 2011-09-04 16:30 | 個人戦及び団体戦・全国大会2011