第5回長崎大会チャンピオン誕生!
2012年 09月 02日
9月1日に第5回長崎大会本大会が行われ、捧詠一(ささげ・えいち)選手がチャンピオンになりました。
捧選手は、第12回個人戦・全国大会のダークホース的存在といえるでしょう。
第2回[前期]全国大会のチャンピオン、準チャンピオンを凌駕した勢いを持つ正統派の朗読ボクサーです。
彼の声は、言葉の先に見えているものがブレていないので聴き手の心を正確に打ちます。
長崎大会は商店街の通りで行われたので、彼のような正統派の表現は商店街のノイズには不利ではあったのですが、それをもろともしなかった。
チャンピオン・捧詠一
大会を終えて
捧詠一
昨年、初めて「詩のボクシング」を知りました。
仕事でテレビ番組の制作をしており、「なんだか面白そう」と思ったのが取材のきっかけでした。実際に出場選手に話を聞き、その思いを知り、全国大会の模様もカメラに収めました。
女子高生に大学生。主婦、国語教諭、町役場職員など、十人十色の顔ぶれ。500人の観客の前で3分間、たった1人で詩を朗読する。想像するだけでも足が竦むような状況の中、自作の詩を堂々と詠み、表現する選手のみなさん。その姿に、強く心を動かされました。
私といえば、高校までは野球部。大学では空手。詩など吟じたこともありません。ただ、縁あって「伝える」ことが仕事となり、言葉の力を実感するようになりました。だからこそ、言葉で勝負する朗読ボクサーに、強い憧れを抱いたように思います。思いのたけに身を任せ、選手として初のリングへ。
初戦。トイレットペーパーをリング上に広げる福留公歩選手のパフォーマンスに圧倒。
準々決勝。高校生の浅野宇泰選手。
靴下を脱いでの即興朗読に動揺。
準決勝。同い年、岩永真実選手。
観客に息を呑ませんばかりの強烈な言葉の数々に驚愕。そして決勝。
村上昌子選手。漂うオーラ。
その日の勢いで優勝させていただきましたが、言葉の感性でいえば、村上さんの方が圧倒的に力があります。ほんと、すごいです。
昨年は仕事で。今年はプライベートで、選手として。栄誉ある全国大会の舞台に、参加させていただきます。
名前に「詠」の字をつけてくれた、両親への感謝も込めて。たくさんの言葉を聴くことができる10月27日を、楽しみにしております。
石だたみ/「詩のボクシング」長崎大会
2012.09.02 長崎新聞・社会
ボクシングリングに見立てた舞台で2人の“朗読ボクサー”が自作の詩と表現力を競う「詩のボクシング」長崎大会が1日、長崎市浜町のアーケードであり、県内外の男女9人が声と言葉のパンチで打ち合った。
商店街活性化に取り組むハマスカ実行委と市立図書館が共催。7月の予選を勝ち抜いた10~60代の8人と昨年の全国大会準優勝の北九州市の学生がトーナメント方式で対戦。カステラやネコなどを題材に独自の世界観を披露した。
優勝したのは北九州市のNHK職員、捧(ささげ)詠一さん(26)。「10月の全国大会も頑張りたい」と健闘を誓っていた。
初戦の相手・福留公歩選手(元長崎大会チャンピオン)
準々決勝の相手・高校2年生の浅野宇泰選手
準決勝の相手・岩永真美選手(元長崎大会チャンピオン、剣道二段)
決勝戦・村上昌子(前長崎大会チャンピオン) 即興は見事なものでした!