5月23日(土)にアメリカンセンターで小、中、高校生の日本側チームへのワークショップを行いました。6月13日(土)に六本木ヒルズのYouTubeスタジオで行われる日米ポエトリー交流プロジェクトの本番に向けてのワークショップでした。本番では、オブザーバーとして、キャロライン・ケネディ駐日アメリカ合衆国大使、ビル・デブラシオニューヨーク市長、ドナルド・キーン博士他が参加します。
指導する中で感じていたのは、これまで「詩のボクシング」で経験したことのまとめのような内容でした。
感じていたことを要約すると以下になります。
1997年に始めた「詩のボクシング」の特徴的な要素は口述性、パフォーマンス性、競技性。「詩のボクシング」の場で発表される作品は、声の表情や身体を使った表現、身体との関係性を表す声のリズムと時に比喩や韻を通して強く聞き手に働きかけるもの。テキストとして見た場合、韻文だけではなく散文もある。
紙の上で表現されるものとは違い、自分の声やことばを目の前にいる観客に向かって届くかどうかを確かめるように投げかける。それらの声とことばを観客は真剣に受け止め、その結果として聞き手の表情のみならずジャッジ判定によって生の反応が得られる。それらの反応には、声としてのことばでなければ味わうことのできない表現の新たな姿を求める思いである。
この場では、紙メディアで読者を失ってきた詩表現の単なる転用は通用しない。なぜなら、その場には厳しい他者である聞き手がいるということ、さらにそこではこれまでのいわゆる詩のようなものを求めてはいないからである。
「詩のボクシング」は、既存の文学に口述性、観客との直接的相互作用、音楽との近さ、公共的な語りの場との近さといった文学本来の使命ともいえる一部を取り戻した形態である。
また、「詩のボクシング」は、文学に本来の興奮を取り戻す可能性のある形態である。ある意味、J-POPコンサートやサッカーの試合のようなイベントになるのである。これまで繰り返し言ってきたように、「詩のボクシング」は、声と言葉の格闘技、声と言葉のスポーツの場である。
[近況報告]退院しました。体重が11kg減りました!
[ワークショップの感想]
先生がずっと立ちっ放しだったので、大丈夫かなと心配しましたが、さすが、「詩のボクシング」のことになると熱いですね。納得しながらお話をうかがっていました。
最後の盛り上がりもとてもよかったですね。チーム日本になってきたなとおもいました。
この調子ならアメリカに勝てると思います。